遺品整理で売る前に【お葬式の準備|事前に決めておくこと・必要なものを詳しく解説!】
お葬式の準備は単純な労力で考えても大変なものですが、精神的なショックを抱えつつ進めていかなければなりませんからメンタル面の負荷も大きいです。
ここではお葬式を行うまでの手順や用意するものについて説明していきますので、遺品整理でお品物を整理(売る)する前に少しでもお役に立てれば幸いです。
また、生前に用意できることもありますので併せて確認してくださればと思います。
お葬式の用意にかかる日数の目安
まずは、一般的なお葬式の準備の仕方や、用意にかかる日数の目安、それからお葬式の日程を選ぶときの注意点などを紹介していきます。
人が一生で経験するお葬式の回数はそう多くないので「慣れる」ことはありませんし、前もって日程を決めておくということもその性質上不可能です。
だからこそ、できる限り多くの知識を得ておいてくださればと感じます。
お葬式までの流れ
まず、「火葬が行えるのは死亡確認時刻から24時間以上過ぎてから」と法律で定められています(一類感染症など級を要する場合は例外)。しかし「お葬式や火葬は○日以内に済ませること」などの法律は存在しません。
ですが基本的には、死去した翌日にお通夜を行い、その次の日の午前中に火葬や告別式をするというのが普通です。比較的スムーズに見えるかもしれませんが、それでも少なくとも3日間はかかるわけですね。
また、もちろんこの日取りを守らなくてはならないというわけではありませんし、
「守ることができない」という状況になることも十分あり得ます。
お葬式の日取りを選ぶ際の3つの注意点
続いて、お葬式の日取りなどを選ぶときに注意点を紹介していきます。
これらのことをチェックしてから、お葬式の用意に取り掛かってください。
火葬場の予約状況
無数に存在するわけではないので、都合のいいタイミングで火葬場が使用できるとは限りません。まず休業日を「友引」にしている火葬場が少なくないので、友引の次の日は予約が取りにくいです。
また、少子高齢化によって火葬場が足りなくなってきている地域もあるので(特に都市部)、時期やエリアによっては「希望の日」から「実際に火葬を行う日」が数日ズレることもあります。
そうでなくても、1~2日くらいのずれ込みはあり得ると考えておくのが無難です。
ちなみに「予約」という表現を使ってきましたが、
事前予約制
当日の先着順
など火葬場次第で方針が違いますので、それについても調べておいてください。
葬儀場の予約状況
こちらも火葬場と一緒です。ただ、葬儀場についてはほぼ「事前予約制」となっています。
使いたい葬儀場がある場合は、前もって空き状況を調べておかなければなりません。
あまり早めに連絡することは事実上できないわけですが、葬儀を行うことが決まったら速やかに予約を取ることをおすすめします。
僧侶の手配
お葬式に僧侶を呼ぶのであれば、もちろんお寺との日程も合わせる必要があります。
法事が多い土日は僧侶も不足しやすいので、お葬式が延期する可能性もあるということも考慮しておきましょう。
(当然宗教などによって手配すべき人員は異なることでしょう)
以上のように、お葬式の日時を選ぶだけでも前もって調べることなどが多く大変です。
では、これら以外ではどのような用意をすべきなのでしょうか。
喪主を決める
「喪主」が中心となってお葬式を取り仕切ることになります。
基本的には亡くなった人の奥様(旦那様)が喪主になるものですが、それができないのであれば最も血縁が近い方が喪主になるのが普通です。
当日になってあたふたすることがないよう、すぐに喪主を決めておきましょう。
また、喪主が遺言で指定されているケースもあります。
その際は、もちろんそれに従います。
連絡表を作り確実に訃報を知らせる
「訃報を知らせる人」を記した連絡表を作っておくと慌てることがありませんし、連絡のし忘れを回避することも可能です。
また、前もって本人が望むお葬式の規模を把握しておけば、連絡表を作りやすくなります。
では、具体的には「連絡」はどう行うべきなのでしょうか。
いつ連絡するのが?誰に連絡するのか?
まず、亡くなって施設や医療機関から安置所や家に遺体が到着したら、即座に連絡をするのが普通です。
「連絡する相手」としては、まずは家族や親類。続いて親友など、亡くなった人との関わりが強かった人から優先して連絡をしていきます。
近しい人への訃報の連絡は基本的に2回行う
家族・親類・親友などには即座に訃報を知らせますので、その段階ではお葬式についてきちんと定まっていないケースもあります。
そのため、
1回目:まず訃報のみを簡単に知らせる(お葬式の日程などは後で伝える、と言っておきましょう)
2回目:葬儀の場所や日程を詳しく知らせる
という手順を踏むのが普通です。
近所の人や職場の関係者などへの連絡に関して
この範囲の人達については、お葬式の場所や日程が定まってから訃報を知らせるのが無難です。
また「家族葬」にするのであれば「家族葬として身内だけで済ませます」とハッキリ知らせておいてください。このとき「香典を出しましょうか?」と言われたら断るのが普通です。
何を伝えるのか?
「訃報を知らせる」とは言いますが、具体的にはどのようなことを伝えるべきなのでしょうか。
故人の名前
亡くなった日時
死因(簡潔に。言わなくても構いません)
喪主の氏名と連絡先(もしくは電話などをしている人自身の氏名と連絡先)
故人と喪主の続柄
お葬式の場所や日程
お葬式の形式(香典を拒否したり家族葬を行ったりするのであればハッキリと言う)
※お葬式の詳細が決まっていないのであれば「お葬式について後日伝えます」と言いましょう
連絡を始める前に、メモなどにこれらのことを箇条書きにしてまとめておくことをおすすめします。一般的な連絡ならまだしも、やはり訃報ですから何度も電話などをし直すのは避けたいところです。
メールで連絡してもいいのか
原則として訃報は電話で知らせるものです。
ことに家族・親類・親友については、電話で知らせるのが必須だと思ってください。
職場への連絡に関しても、やはり電話で行うのが一般的です。
ただ、最近はメールで知らせる事例も多くなってきています。
実際、職場などでたくさんの人に連絡をするとなると、メールで一括で知らせて労力を減らすことも必要になってくるはずです。
特に国外に暮らしている人に対しては、最初はメールで知らせるのが無難かもしれません。
以上のように普通は電話で連絡を行うものです。
しかし、そういったしきたりよりも「確実性」を優先すべきでもありますから、状況に応じてメールなどの連絡手段を使っても構いません。
葬儀社とお葬式のプランに関して
お葬式の用意で一番頭を悩ませてくるのは、恐らく「お葬式のプラン決め」です。
一般葬を選ぶことももちろん可能ですが、最近では「直葬」「一日葬」「家族葬」などもできるようになりました。
亡くなってから遺族がどのプランのお葬式をするのが選ぶとなるとバタバタしますから、可能であれば生前に本人の希望を聞いておくことをおすすめします。決めきれないようであれば、家族で相談すると良いでしょう。
生前であれば、プランの詳細や発生する出費などについてじっくり冷静に吟味することができるはずです。
また、近年はインターネットで葬儀社に関する情報を手軽に集めることが可能となりました。それを利用してお葬式のプランと一緒に引き受けてもらう葬儀社も選んでおくと、事前に話を詰めておくことができるので、色々とスムーズに進めやすくなることでしょう。
お葬式の費用を用意するには?
お葬式には一定以上の費用がかかります。
では、お葬式代を用意する方法としてはどのようなものがあるのでしょうか。
貯金
最もシンプルな方法が「貯金」です。お金を貯めておいて、それをお葬式代に充てるわけです。ただし、人が鬼籍に入ると、その人名義の口座が凍結されてなかなか引き出しができなくなる可能性がありますので「口座の名義」については気を付けなくてはなりません。
家族の中の若い人の名義の口座で貯金しておくのも良いでしょうし、家族で分担して貯金しておくという方法もあります。
また、どういった手段を採るせよ、お葬式代をスムーズに引き出すことができるように、パスワードなどは家族間で共有しておくことをおすすめします。
葬儀保険(少額短期保険)
少額短期保険とは、文字通り保健機関が短く保険金が少ないタイプの保険のことです。
「葬儀保険」はその中の一種。葬儀保険の月額保険料は1000円もしないものが大半ですし、高齢者でもほぼ間違いなく入ることが可能ですので(しかも医者の審査も行われません)、最近加入者が多くなってきているようです。
互助会
葬儀のためにお金を積み立てていく仕組みのことを「互助会」と呼びます。
葬儀だけでなく挙式などのためにもこの互助会が存在していると言えます。
月々3000円~、掛金240000円から着手することが可能ですので、利用する人が多いです。積み立てタイプですから、いきなり葬儀を行うことになっても金銭的な苦労が少なくなります。
また、240000円の積立金を完納したのであれば、その掛金だけに留まらず「会員優待割引」も発生します。こうなれば、お葬式の際の出費がかなり安くなりますよ。
お葬式の生前契約
葬儀社とお葬式のプランをもう選んでいるのであれば、葬儀社に前もって料金を納めておくという手もあります。「もう払ってある」という安心感を得ることもできますし、本人の負担割合を上げれば上げるほど他の家族の苦労が減ります(負担割合などについては家族でじっくり相談してみましょう)。
それに、葬儀社と本人が話し合うことになるので、できる限り望みに沿うお葬式でできるという利点もあります。
ここまで、お葬式代の用意の仕方について解説しました。
これに関する「正解」はありませんので、家族と本人が最も納得できる手段を採用してくだされば幸いです。
お葬式そのもので必要になる物品を用意する
続いて、お葬式そのもので必要になる物品に関して解説していきます。
用意を始めるのが直前になってしまうと望んだとおりのお葬式ができなくなる可能性があるので、できる限り前もって準備しておきましょう。
遺影
可能な限り「本人の人柄が伺える写真」を遺影にしましょう。
また、場合によってはしばらく前の元気だった時期の写真を遺影にしても構いません。
とにかく「こういう人だったなあ」と想いを巡らせながらお見送りできるような遺影にすることが大事です。
さて、最近ではいわゆる「終活」を行う方が多くなってきているので「遺影撮影会社」に頼んで、生前に遺影を撮る人が少なくありません。
そういったサービスを使って、当人が満足いく遺影を用意しておくというのも良いでしょう。
服装について
喪服には「格式」という概念があり、略礼装、準礼装、正式礼装の3タイプがあります。
正式礼装:遺族や喪主が着る。格式は一番高い
略礼装、準礼装:他の参列者が着る
というのが一般的です。
また、性別によって親類や家族の礼服が異なりますので紹介していきます。
男性の礼服
基本的にはモーニングコートを着ます。
ですが、最近では親類でもブラックスーツ(準礼装)を着用して、告別式・葬儀・通夜に参加する人が増えてきています。
ブラックスーツ(ダブルかシングル)
ワイシャツ(無地、ホワイト)
ネクタイ(無地、ブラック)
カフスやネクタイピンは原則として不要
ベルト(無地、ブラック、簡素なもの)
靴(無地、ブラック、簡素なもの)
靴下(無地、ブラック、簡素なもの)
女性の礼服
今回は洋装の礼服について紹介させていただきます。
シンプルにまとまったヘアスタイルにする(髪飾りは不要)
スーツかワンピース(肌を出さない、ブラック)
カバン(ハンドバッグ、布製、ブラック)
アクセサリーは基本的に不要(つけるとしても結婚指輪のみ)
ストッキング(ブラック、飾りやラメがないもの)
靴(パンプス、ブラック、ヒールは3~5センチくらい)
参列者の用意とマナー
続いて参列者にとっての注意点を紹介していきます。
参列者の服装は?
準礼装を着るのが基本です。つまり、
男性:ブラックスーツ
女性:ブラックフォーマル
にすべきということですね。
繰り返しになりますが、親類もブラックスーツを着る場合が最近では増えてきたので、それに合わせるという事になります。
格式を考えて喪服を選び、マナーを守りましょう。
また、通夜には平服(略礼装)で参加しても構いませんが、色は灰色やブラックなど目立たないものにしてください。
香典の相場とマナー
まず、香典の金額の相場については、
近所の人:3000~5000円くらい
職場関係者:5000~10000円くらい
友人:5000~10000円くらい
となっており、この範囲から大きく外れてしまうとマナー違反になるので気を付けましょう。
また、新札は香典に使わないようにしましょう。
(新札を使うと『いつお葬式があっても良いように準備していました』というニュアンスが出てしまうため)
それから、複数枚のお札を入れるのであれば向きを揃えるようにてください。
さらには、袱紗(ふくさ)に香典袋を包み、むき出しにしないようにするのもマナーです。
まとめ
ここまでの内容を改めてまとめていきます。
1:喪主について
基本的に奥様(旦那様)が務めます。
そうでなければ、血縁的に最も近しい人が行うのが普通です。
2:連絡表について
家族、親類、親友、職場関係者、近所の人などの連絡リストを作成しておきましょう。
優先順位を考えて作っておくと便利です。
3:お葬式のプランを選んでおく
お葬式の形式(家族葬、一般葬)をすぐに選びます。
可能であれば生前に決めておきましょう。
4:お葬式の費用を用意する
まずはお葬式代の相場を把握しましょう。
その上で、互助会・少額短期保険(葬儀保険)・貯金など、最適な手段で費用を用意していきます。
5:遺影について
「人柄」が分かる元気な様子の写真を選びましょう。
遺影は生前に撮っておくことも可能です。
6:喪服(礼服)について
男性:ブラックスーツ
女性:ブラックフォーマル
が基本。マナーを守りつつ派手にならないようにしましょう。
まとめ
ここまでお葬式の用意やマナーなどについて解説しました。
「生前にお葬式のことを考えて用意するのは望ましくない」という発想もありますし、抵抗があるのであれば無理に準備をする必要もありません。
ですが、前もってある程度(精神的な面も含めて)用意しておいた方が、いざというときに悔いなく見送りやすくなるというのは確かです。
考え方は人それぞれですが、「考える」ということ自体をまずはしてみることをおすすめします。
また「生前どのようにお葬式や死と向き合うか」ということを抜きに考えても、「きちんと関わってきた相手」の葬儀ほど、不思議と悔いのない形で行えるものです。
「遺品整理で売る前に【お葬式の準備|事前に決めておくこと・必要なものを詳しく解説!】」をご紹介しました。
家の中に眠っている、ガラクタだと思っていたものが、実は高値の付くお品物かもしれません。
心当たりがありましたら、一度は鑑定士に見てもらうことをおすすめします。
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