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終活カウンセラーが教える「 遺品整理のポイント 」

終活カウンセラー

大切な人が旅立っていくのは、非常に寂しいものです。そして、心情的にも手続き的にも、多くのものを家族に遺していくことになるものでもあります。

今回はそれを、「遺品整理」の観点から見ていきましょう。

遺品整理のポイント

なお今回のケースは、以下のような状況を想定しています。

  • 自分の父親が亡くなった
  • 父親は一軒家に一人暮らしをしていた。母親は既に亡くなっている
  • 自分自身は少し遠いところに住んでいて、妹が一人いる
  • 妹も嫁いでいて、父親が遺した家に戻ることはない
  • 家は持ち家
  • 信じる宗教は仏教であり、仏壇が父親の住んでいた家にあった
  • 多少のけんかなどはあったが、不仲ではなかった

遺品整理は、「心と向き合うこと」にもつながる

「引越しの荷物を片付けること」と「遺品整理」は、「そこにあるものを片付けて、今の家を空にすること」という意味では共通しています。そのため、「片付け」ということだけに注目をするのであれば、引越しのときの要領で行っていけばいいわけです。

しかし実際には、遺品整理は引越しのときの荷物整理とは異なります。

遺品整理の場合、すべての作業に「思い出」がつきまとうことになります。

もちろん冷静に処理をしていける人もいるかと思いますが、故人が使っていた茶碗や気に入っていた服、アルバムなどが次々と出てきます。その一つひとつには消えない思い出が刻まれているため、心に訴えかけてくるものが多いことでしょう。

遺品整理を行うときには、大きくわけて2つのやり方があります。

  • 遺品整理業者などを頼む
  • 自分たちで行っていく

この2つのやり方にはそれぞれ実利的なメリット・デメリットがあると同時に、心情的にも異なる向き合い方をとることになります。

遺品整理業者に頼む場合、非常に事がスムーズに運びます。彼らはプロですから、故人に敬意を持ちながらも淡々と作業を進めてくれますし、雑多な物もきちんと仕分けをしてくれます。場合によっては家の清掃までを行ってくれることも多く、非常に頼りになります。

「遠方に住んでいるので、物理的に片付けるのが難しい」という場合は、特にありがたい選択肢となるでしょう。

遺品整理業者に頼むのは、なんだか薄情な気がする」と思う人もいるかもしれません。

しかしご家族のショックが極めて大きい場合や、「非常に部屋が散らかっているので、片付けている間にイライラして父親のことを悪く思ってしまいそう」と感じる場合は、遺品整理業者を頼むのも一つの手段です。特に、あまりにも思い入れが深いと、「整理すべき遺品」を一つも整理できずに、新たな悲しみにとらわれてしまうことにもなりかねません。

対して、「自分たちで行っていく」という場合は、経済面の負担が著しく軽減されます。もちろん粗大ゴミなどは適切なやり方で処分してもらう必要がありますが(例:自治体の有料の粗大ゴミ回収を利用する)、業者を頼むよりは安上がりです。

またこの方法の場合、「故人の思い出とじっくり向き合うことができる」というのも大きなメリットです。

懐かしいアルバムを発見したり、父親が大切にしていた自分たちの七五三の着物が出てきたり……というような、「子ども時代と密着した思い出の品々」を、自分たちの手で見つけていけるのは、とても幸せなことです。たしかにそこには痛みもありますが、「故人の思い出に触れ、故人のことを話し、故人の物を整理すること」は、心の整理をすることにも繋がります。

できるならば、ごきょうだいで一緒に整理をしていけるといいですね。

遺品整理業者に頼むことと家族で整理していくことの間には、優劣はありません。心情的な面を重用しつつも、「自分たちにはどのような整理の方法が合っているか」を考えることが、遺品整理の第一段階です。

自分たちで遺品整理をしていくときのポイント

ではここからはより実務的な面から、「遺品整理」にアプローチしていきましょう。

1.残すものを決める

高齢者施設などに入居していた、あるいは終活の一環として身の回りのもの以外を処分していたという場合は、そもそもの荷物量が少ないため、片付けるのも容易です。

しかし「一軒家で、亡くなる直前まで『普通の生活』を営んでいた」という場合は、片付けるのはとても大変です。

遺品整理においても、「残すもの以外は処分する」といった考え方を持つことは重要です。「どうしても捨てがたい思い出の品物だ」と思うもの以外は処分していきます。特に、「いつか使うかもと思って残していた来客用の食器」「溜めこんでいたハブラシ(掃除には使えます)」「季節外れの日常着」「靴」などは処分対象となります。

「これから先使うことはないけれど、とても思い出のこもっているもの」はもちろん残しておいてかまいません。ただ、「これから先使うことはない。でも、ちょっと思い出もあるし」というものならば、写真に撮っておくとよいでしょう。着物などならば、一部を切り取って額縁にいれて、ファブリックパネルとして保管するのも良いですね。

2.家電製品などの処分を考える

こまごまとしたものの整理も大変なのですが、家電製品や家具の扱いも考えたいものです。

これには大きく分けて3つの方法があります。

①遺族が自宅に引き取る

②粗大ゴミとして捨てる

③業者に引き取ってもらう

「最新型の冷蔵庫があった。今家で使っているものよりも性能が良いので、これを使いたい」という場合は①のケースに該当します。

②は、自治体の粗大ゴミ回収を利用して捨てる方法です。有料サービスであり引取のタイミングが指定されていることもありますが、確実に適切に処理されるのが魅力です。

楽さを選ぶのならば③でしょう。ただし、単純にゴミとして引き取るときには一般廃棄物収集運搬業許可の、買い取って売るという場合には古物商の許可が必要です。遺品整理の業者に頼むときにもいえますが、これらの資格を持たない業者に頼むと、大切な遺品が不法投棄されたり、法律に反するかたちで処分されたりする可能性が高くなります。

必ず資格持ちのところを選んでください。

なお、「産業廃棄物収集運搬業許可」を堂々と打ち出してさも資格があるように見せかける悪質な業者もいますが、これによって回収が許可されるのは、あくまで会社などの廃棄物だけです。一般家庭の廃棄物の収集を許可したものではありません。

3.貴重品は隠さない・必ず話し合うこと!

遺品整理をしていく過程で、故人さえも忘れていた宝石類や有価証券類、貯金通帳などが出てくることがあります。

このようなものが出てきた場合は必ずほかの遺産相続人と話し合いの席を設けてください。

これらは、遺産の一部として扱われます。何も言わずに持ち去った場合は、窃盗罪に問われることもあります。

4.無理をせず、しかし時間をかけすぎずに行っていく

「家一軒分の遺品整理」は、非常に時間がかかるものです。一朝一夕で終わるものではありませんから、自分たちで行おうとするとかなり時間がかかります。

無理をせず、できるところまでやって、日を改めてまた行う……というやり方をとることをおすすめします。

ただ、「無人の一軒家」というのは、かなり危険なものです。

自然災害などが起きたときに周りに迷惑をかけることにもなりかねませんし、場合によってはホームレスなどの入り込みが起こる可能性もあります。

このため、ある程度は迅速に行っていく必要もあります。

遺品整理の後には、「残された家をどうするか」という問題も出てきます。

これも念頭に入れて整理作業をしていく必要があるでしょう。

いかがでしたでしょうか?こちらの記事は終活カウンセラーの資格を所持しての執筆です。遺品整理をする方のおこころは、とてもデリケートな状態にあります。当方では、ご家族の気持ちに配慮し執筆しました。

最後に

終活カウンセラーが教える遺品整理のポイント」をご紹介しました。

家の中に眠っている、ガラクタだと思っていたものが、実は高値の付く貴重な骨董品かもしれません。

心当たりがありましたら、一度は鑑定士に見てもらうことをおすすめします。

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