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斉白石（さいはくせき)という人物をご存知でしょうか？歴史や古美術品に詳しい方であればご存知かと思いますが、あまり詳しくないという方でも、何となく見覚えがある、聞き覚えがあるという方もいるかもしれません。斉白石は中国近代絵画の巨匠と呼ばれるほどの存在です。斉白石の作品を一度目にすれば、中国の中国近代絵画へのイメージがガラリと変わるかもしれません。ここでは、そんな斉白石について改めてご紹介していきたいと思います。ここでは、そんな斉白石についてご紹介していきたいと思います。

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斉白石（さいはくせき)とは

斉白石をご存知でしょうか？あまり詳しくないという方でも、何となく見覚えがある、聞き覚えがあるという方もいるかもしれません。斉白石は中国近代絵画の巨匠と呼ばれるほどの存在です。斉白石の作品を一度目にすれば、中国の絵画へのイメージがガラリと変わるかもしれません。ここでは、そんな斉白石について改めてご紹介していきたいと思います。

斉白石の生涯について

斉白石は現在の湘潭県白石鎮にあたる湖南省湘潭県杏子塢星斗塘の貧しい農家に生まれました。ただ、小さい頃から絵を描くことが好きだったと言われています。この頃の絵も見てみたいものです。白石は7歳のときに数カ月間、私塾に通って初等教育を受けました。しかしながら、家計が苦しく、生活が厳しくなり、学業は継続することができませんでした。その後は、放牧などの手伝いをしながら独学で絵を描いて過ごしていたそうです。

一方で、少年期は体が弱く鋤などを使う農作業が思うようにできませんでした。12歳で大工見習いになって、その1年後には家具職人となりました。見習いから1年で家具職人になったあたりのも、白石の才能を感じます。そこから10年余、白石は木工として生活していましたが、白石の並外れた技能は多くの人に知れ渡るところとなりました。木工の傍ら表具師出身の蕭薌陔（伝鑫）から肖像画を習い、後に美人画を描くようになります。

白石が本格的に画の勉強を始めるのは、27歳になってからのことでした。ようやく文人画家の胡沁園について、綿密な花鳥画・鳥獣画を学ぶことになったのです。他にも詩文を陳少蕃から、山水画を地元画家の譚溥から学んでいます。いろいろなものを吸収しようという姿勢が見て取れます。30歳の頃には同郷の詩友と「龍山詩社」「羅山詩社」を結び、書法や篆刻について独学で学び、いわゆる文人的な資質を身につけていきました。

40歳以後の7年間では「五出五帰」と呼ばれる大旅行をすることになります。文字通り、5度にわたり中国全土を巡り、名山や大河を堪能しました。それと同時に過去の名家の真筆や銘文などを実際に見て、芸術的な視野をも広げていきました。とても贅沢な時間ですし、うらやましい限りです。その後10年は「家居十年」と呼ばれており、故郷にじっくり腰を据えました。読書をしたり、詩書画印の製作に没頭したりしていたそうです。白石というと「借山図巻」「石門二十四景」などが有名ですが、これらの作品はちょうどこの頃のものになります。

さらに、その後は故郷での争いを避けて、55歳で北京に居を構えました。売画・売印で生計を立てるようになりましたが、思うようにはいきませんでした。農民出身で木工だった白石は、当時の北京では白い目で見られ、ときには追い払われるようなこともありました。ただ、その中でも白石の才能を見てくれる人間はいました。高名な画家で日本に留学経験のあった陳師曽は白石の才能を見出し、芸術的な交流を深めるようになったのです。それとともにさまざまな形で白石を支援してくれたのです。

1922年には東京で日中共同絵画展が開催されました。このときに白石の作品を出典したのも陳師曽でした。これがきっかけで、白石が国際的にも評価されるようになったのです。白石にとって陳師曽との出会いがまさにターニングポイントとなったのでしょう。白石はその後、北京芸術専科学校教授、中国美術協会主席を歴任し、陳半丁・陳師曽・凌文淵と共に、京師四大画家の仲間入りを果たすのでした。

斉白石の作品の魅力

次は、斉白石の作品の魅力についてです。中国の絵画というとどこかくすんだようなイメージがあるかもしれませんが、斉白石の作品というのはとても華やかな色使いが特徴となっています。みずみずしさやフレッシュな感じを受けるので、中国の絵画に先入観を持っている方であればあるほど不思議な感覚に陥るでしょう。

また、斉白石の作品ではギャップも魅力となってきます。簡素な描写のものが多いと思われがちなのですが、その中には驚くほどリアルに描写されているものもあります。簡素に描かれている植物の近くに、驚くほどリアルな虫が描かれているようなこともあります。こういうギャップというのは魅力的ですし、何よりも見ていてとても興味深いです。

あとは、デフォルメも斉白石の魅力です。斉白石の作品にはデフォルメされたものも多いのですが、他の中国の絵画とは一線を画すような味わいを持っています。とことん繊細なものだけではなく、愛らしいデフォルメも描けるのは斉白石だからこそできたことです。