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中国骨董品蝋印の存在意義とは?買取なら福和堂へ

蝋印

中国には「文化財の国外持ち出し審査基準」がありますので、中国の骨董品が自由に海外に輸出されることはありません。

 

骨董品はまず「中国文物局(文物=骨董品、文化遺産、文化財など)」に送られ、その中の「文物鑑定センター」に在籍しているプロフェッショナルが審査を行います。この審査をクリアした骨董品が、文物商店(国営)で販売されることとなります。

そして、いわゆる「骨董品蝋印」が、中国文物局の審査をパスした骨董品に押されます。

つまり、骨董品蝋印には「鑑定で合格したという正式な証拠」という意味があるのです。

 

ただし、ここ言う「合格」とは「価値が劇的に高いわけではないので、一般に流通されてもいい」というニュアンスであると考えてください(詳しくは後述します)。

 

ちなみに、骨董品蝋印のことを「梅干し印」などと呼ぶこともあるそうです。

 

骨董品蝋印のある品物は、海外に持ち出すことが可能です。税関で何かややこしいことを聞かれることもありません。

 

しかし、国営でなく、民間の文物商店ももちろん存在しています。

そこで買った骨董品の場合を税関に持っていくと、面倒な事態に陥る恐れがあります。

そのため、鑑定書を発行しておくことを推奨します(発行は中国文物局が行います)。

 

※本物に見せかけたニセの骨董品蝋印もあるので気を付けましょう

 

骨董品蝋印と中国の骨董品輸出の歴史

 

中国では「文化財輸出鑑定参考基準」が1960年にでき、それにより国外への持ち出し制限がスタートしました。

その頃の法令は今では消滅していますが、「中華人民共和国文物保護法実施条例」に沿って、2007年に冒頭で紹介した「文化財の国外持ち出し審査基準」が作られました。

現在もこの基準によって、中国の骨董品は保護されています。

これは、「国」が価値の高い骨董品を保護しているという形であると言えます。

 

また、文化財輸出鑑定参考基準(1960年)においては、対象は「1795年より前の骨董品など」となっておりシンプルでした。

 

しかし、中華人民共和国文物保護法実施条例(2007年)においては、品目によって、

 

  • 全て持ち出し不可
  • 1966年より前の品は持ち出し不可
  • 1949年より前の品は持ち出し不可
  • 1911年より前の品は持ち出し不可

などとなり、より細分化されました。

また、指定の年代的に考えても、より厳しいルールとなったと言わざるを得ないでしょう。

 

そして、先ほどお伝えしたように骨董品などは中国文物局が審査して、

品目・年代的に許される品物のみに「骨董品蝋印」が押されて、流通することとなります。

 

ちなみに、中国だけがこのような厳しい政策を取り行っているわけではありません。

中国以外にも価値の高い骨董品が外国に流れないようにしている国が存在しています。

何を隠そう日本もその一つです。

 

日本の場合は、重要文化財レベルの美術品、美術品、文化財を守るという意味合いがある「文化財保護法及び関係法令」が存在します。

 

日本の文化庁のwebサイトには、

 

「『古美術品輸出監査証明書』の発行をおすすめしています。

通関検査をスムーズに行うため、そして日本の重要な財産である骨董品などが間違って輸出されないようにするためです。

国外に骨董品などを輸出する場合は、それが「重要美術品認定物件」ではなく、かつ「重要文化財・国宝」でもないということを税関に示す必要があります」

 

といった内容が記載されています。

(実際にはもっと硬い文章となっています)

 

文化財保護法及び関係法令≒中華人民共和国文物保護法実施条例

古美術品輸出監査証明書≒骨董品蝋印

 

であると言って良いのではないでしょうか。

 

中国の書画の持ち出しルール【骨董品蝋印が押される基準を知りましょう】

 

ここからは、中国の「書画」などの輸出ルールについて解説していきます。

お読みいただければ、骨董品蝋印が押される基準が分かります。

絵画・書法

基本的に「1911年よりも前のものは輸出不可」というルールになっています。

ただし、行楽図、紀事図、戦功図、風俗画、画像、映像、肖像などについては「1949年よりも前のものは輸出不可」という規則となっています。

ちなみに、当人や親族が所持している画像、映像、肖像などに関しては、これらの規則が適用されない場合もあります。

 

ガッシュ、水彩、油絵

版画の原板や原作、漫画、デッサン(&スケッチ)については「1949年よりも前のものは輸出不可」というルールになっています。

しかし、「社会的影響が大きく、芸術的・歴史的価値が非常に高いもの」に関しては、「全て輸出不可」という規則となっています。

 

壁画

古墳、石窟、廟宇、宮殿等の内部にある壁画については「1949年よりも前のものは輸出不可」というルールになっています。

しかし、「近現代の有名な壁画の設計図、設計案、原稿など」に関しては、「全て輸出不可」という規則となっています。

 

 

ちなみに、書画でない骨董品についても「1949年」「1911年」が基準となっているものが多いです。

 

1949年:中華人民共和国ができた年

1919年:中華民国ができた年

 

であるがゆえに、この2つの年が基準になっているのではないかと言われています。

 

また、文物局が審査をするときには「人名表」を確認するのですが、

それがウェブサイトなどに掲載されているわけではありません。

 

そもそも1世紀前には人口が4億に達していたとされている中国ですから、「有名な書家」という括りで考えても、数えきれないほどの人数となります。

 

ここでは、その中の数名を挙げていきます。

(年代は、清~中華人民共和国です)

 

李苦禅(1899-1983)、謝稚柳(1910-1997)、劉海粟(1896―1994)、呉湖帆(1894-1968)、黄冑(1925-1997)、黄賓虹(1865-1955)、魏紫煕(1915-2002)、啓功(1912-2005)、賀天健(1891-1977)、黄君壁(1899-1991)、于右任(1879-1964)、王雪濤(1903-1982)、呉昌碩(1844-1927)、康有為(1858-1927)、金農(1687-1763)、何紹基(1799-1873)……etcetc

 

ちなみに、

 

黄冑:中国美術家協会常務理事

王雪濤:中国美術家協会理事長

康有為:政治家

于右任:政治家

 

など、社会的立場がかなり上の画家(書家)も少なくありません。

 

また、あの毛沢東は、書家としても人気でした。

 

上に挙げたような作家が人名表に記載されているのではないかと思われます。

そして、人名表に載っている人物の作品であった場合は、そうではない作品とは違った扱いを受けると言われています。

 

骨董品蝋印が押された骨董品はぜひ福和堂にお声がけください

 

「骨董品蝋印が押された骨董品=国が守るレベルの骨董品ではない」と言えますが、それでも鑑定に出せば高額査定となる品物がたくさんあります。

 

福和堂には実力のある鑑定士が在籍しておりますので、骨董品蝋印のある骨董品をお持ちの方もぜひご利用ください。

最後に

骨董品蝋印」についてをご紹介しました。

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